■事業所 身体障害者(聴覚)デイサービ陽だまり(令和4年度で終了)

 聞こえない・聞こえにくい利用者の要望に応えながら、一人ひとりの実状に合った支援を考え、生活の質を高めるためのデイサービスを提供することを目的とする。


事業所名称  :身体障害者(聴覚)デイサービス陽だまり

事業種類   :障害者総合支援法における地域活動支援センター事業(登録平成18年)

事業開始   :平成156

場  所   :〒390-0833 長野県松本市双葉4-16 松本市総合社会福祉センター1階集会室

利用定員   :20名

サービス内容 :・社会参加の意欲促進・社会参加の意欲促進(創作活動、作品展、バス研修旅行等)

        ・健康管理及び体力維持の啓発(ストレッチ、介護予防、歯科講話等)

        ・健康相談(血圧測定、体重測定等)

        ・生活に関する情報提供(防災学習会、ごみ分別学習会、料理教室等)

        ・生活相談(買い物同行、代読・代筆等)

        ・その他季節の行事開催(お花見、七夕、忘・新年会等)

        ・送迎

営 業 日  :第1,2,3,4木曜日

        (国民の祝日、年末年始、お盆休み、他年間計画において休日とした日は除く)

営業時間   :午前10時~午後3時

スタッフ体制 :責任者、介護員、事務職員(スタッフ全員、以下のそれぞれの資格を所有)

        看護師、介護福祉士、手話通訳士・者、要約筆記者、盲ろう者通訳・介護員、

        ガイドヘルパー、管理栄養士

苦情対応   :FAX にて24時間受付

                                 (令和5年3月31日現在)



【孤立する利用者】

 介護保険でデイサービスや福祉ひろば等を利用している聞こえない・聞こえにくい人たちはごくわずかです。なぜなら、聞こえない・聞こえにくい人たちは必ず孤立するからです。職員の話や利用者のおしゃべりがわかりません。利用者とおしゃべりをすることもできません。利用者や職員たちと一緒に、音楽に合わせて体を動かしたりゲームをしたりすることもできません。聞こえない・聞こえにくい人たちにとってできることはただ1つ、椅子に座って何もせずに、眺めながら過ごすことです。

 こうした問題を解決するために、高齢や重複障害などの聞こえない・聞こえにくい人たちを対象としたデイサービス陽だまりを立ち上げました。しかし残念ながら令和4年度で閉所しました。

 

【手話通訳・要約筆記について】

 聞こえない・聞こえにくい利用者がいる場合、職員としてどのように考えたらよいでしょうか。

 その人が聞こえないということをまず把握する必要があります。私たちが生活している社会は、音・音声で成り立っています。聞こえないということは、これらを知らないということです。聞こえない・聞こえにくい人たちは情報保障が必要なのです。具体的には手話通訳や要約筆記を利用し職員の話や、利用者たちのおしゃべりの内容を理解してもらう方法です。

 手話通訳とは、聞こえる人の話を手話に変えて聞こえない人に伝え、また聞こえない人の手話を日本語に変えて聞こえる人に伝えます。

 要約筆記とは、話されている内容を要約し文字として伝えます。要約は、話についてゆけるように要約する必要があります。

 手話通訳や要約筆記は講習会を受けることが必要で、誰でもできるわけではありません。

 

【できることは何か考えてみましょう】

 手話通訳や要約筆記ができなくても、皆さんができることはたくさんあります。

 例えば、聞こえない・聞こえにくい人を呼ぶとき、声で呼んでもわかりません。でも手を振れば気付いてもらえます。また相手が背中を見せているとき、軽く肩をたたけば、相手は「(誰かが)呼んだ!」と了承して振り向いてくれます。変に意識せずに常識的に、ポンポンと軽くたたきましょう。近くに人がいたら代わりに呼んでもらうこともできます。

 会話は、聞こえる人同士では互いに聞こえるからわざわざ向き合わなくてもわかります。聞こえない・聞こえにくい人の場合は、どうしたらよいでしょうか。相手の気持ちがこちらに向いたときに話し始めればよいのです。気持ちがこちらに向いたかどうか、相手の表情をさりげなく観察してみましょう。

 話すときは、手話と一緒に、口形を意識しながら口を動かしましょう。補聴器や人工内耳を使っている場合、大声はかえって聞き取りづらくなることがあります。普通で大丈夫です。

 筆談も可能です。要点だけでもよいです。筆談に用いる用具は紙だけでなく、ホワイトボード、電子メモパッド「ブギーボード」、磁気ボードなどがあります。購入をご検討いただけますとうれしいです。

 簡単なあいさつや会話の手話の学習は、他の利用者も一緒に学習できるように企画しましょう。繰り返し練習することはとても良い方法です。上手になることは求めていません。互いに通じればよいので、細く長く続けていきましょう。

 最後に、音楽に合わせて体を動かしたりゲームなどをやる場合、また合唱やリサイタルなどの場合は、本人の意向を確認の上で企画しましょう。音楽や歌の他にどんな活動があるでしょうか、参加するのが楽しくなるような活動を考えてみましょう。アニマルセラピーはどうでしょうか。